いつもの土手はこの時期17:00に門が閉まるから、自宅付近を走ることが多い。走り出すのが遅いから。
土曜は体調悪いのか、だるくて気乗りがしなかった。
仕方ないから国道を下り始めた。
排気ガス。
埃っぽい風。
寒い。
調子悪いまま足取り重く進んだ。
30分強進んで引き返した。
国道をを横断して駅前の喧騒の中を進むと、側道に暖かい明かりが見えた。
熊手が並ぶ。お手を拝借!掛け声と三三七拍子。
お焚き上げの炎に当たって騒がしい。
酉の市。
もう師走がそこまで来ている。
この時間に走ったことは偶然、いつもと違う道を走ったのも偶然、反対車線ならば気づかない。
この光景を見られたことは偶然の賜物。
違う道には違う世界があるのかもしれない。
自分が走る道の隣にいくつもの平行線があり、それぞれのパラレルワールドがあるのかもしれない。
そして何事もまるで無いように存在している。
人の暮らしもそうなのかもしれない。