終焉

土曜日の早朝にかみさんから電話があった。何で携帯で連絡してくるのかと訝しげに携帯をとったら、4時ごろ実家から電話があり、僕たちが寝ている間に独りで車に乗り病院まで行き、そして病院から戻る車中とのこと。

義父が息を引き取ったとのことだった。

14年前に脳梗塞で倒れてから、高血圧、糖尿病、食道がんと闘っていた。

放射線治療を行っていたが、もう長くは無いことを知らされていた。
最期は、治療よりも本人の心身の苦痛を和らげ、穏やかに日々を過ごせるように配慮する療養をしていた。

そして本人はもとより懸命に介護を続けた家族の労苦には、容易に斟酌でき、頭が下がる思いだ。


16年前、結婚の許しをもらいに行ったことを思い出した。

あの日からの様々な出来事が脳裏を駆け巡る。

始まりがあるものには全て終りがある。


69年の年月は、長かったのか。短かったのか。