胃が痛くなる思いだった。
土日はランニングした。梅雨明けして気候的には最も辛い季節が到来した。
今日も何度も歩いてしまった。
野田の土手は16号を過ぎると自販機が少ない。設置して欲しいものだ。
走り終わったらもう9時だった。
腹減った。
雑炊を食べた。
明日は6時の電車に乗らないと。
土曜日に父と話したが、暑いから何もやる気が無いと店も暗くしたままで新聞を読んでいた。
売り上げ、仕入れ、粗利、経費、税金。
何も把握していない。
誰も把握していない。
この家にでは、そんな基本的なことができる人がいない。
何もわかっていないから、月次予算も無ければ、売り上げの反省も無い。
したがって課題も目標も無い。
どう思っているのか聞いてみた。
そういうのは気にしていないという。
同じ歳でもいまだにバリバリと第一線で働いている人を大勢見ている。
皆やる気に満ち溢れ、時間を惜しんであちこち飛び回っている。
どうやって自営業を営んでいるのか理解に苦しむ。
差し出がましいと思いながらも、気分を損ねない程度にこれまで数々のアドバイスをしてはみた。
そのときは、あ、そうか。と喜ぶのだが、次の週来てみるとできていない。
細かいことは嫌いだとか、面倒くさいことはやりたくないとか。
家のローンが大変だという。
アルバイトにも似た仕事から初めて、次第に周りは辞めていった。
やる気の無かった自分に当時の上司は最後通牒を突きつけた。
それから上司が変わり、真剣に取り組むようになった。部下にも恵まれた。
だから今こうして働くことができる。
今でも感謝している。僕を追い詰めた上司と、僕を伸ばした上司。
モチベーションが下がったときには、いつも思い出してみる。
30歳過ぎてからは、悪いが親には一切世話になっていない。何の助言ももらっていない。
借金?僕だってあと20年以上借金を払う。管理費や税金はこれまでも、これからも、ずっと続いていくだろう。
そして自営ではない人、実家を出た人は、みんな当たり前のようにそうやってがんばって暮らしている。
だから特別だなんて思わない。
老舗の看板。
先代が築いた顧客と信頼。
商売に向いた土地と建物。
このすばらしい財産がはじめから用意されていた。はず。
自営業に必要な財産を地道に護り、時代の変化に対応して進化していくこと。
それを怠っていた。
そして後継者を育てていない。
残念な気持ちのまま車に乗り、家を後にした。
車中では誰も無言で、寂しい気持ちになった。