今日まで仕事だった。
今月のノルマまであと9キロ。
今日は皇居もガラガラだった。
こんな日にまで行くのは嫌にもなったが、半ば意地だった。
何とかクリアした。
そういえば先日、「山谷」に行った。旧山谷地区である。
泪橋を渡り、マンモス交番を入る。
いわゆるドヤ街。
1泊2000円程度の素泊まり宿が並ぶ。
最近はいわゆる地方や外国からの「バックパッカー」が多くなって、この街も様変わりしつつあると聞いた。確かにこ綺麗な宿もちらほら出てきたようだ。
外国のいわゆる安宿は治安が悪くて危なすぎる。外国人に言わせれば
「ここは日本、安全だ」
そうは言っても、喧嘩と窃盗はほぼ毎日、殺人は年に5件程とのこと。
世界的には安全という評価なのだろう。
しかし路上に職を求める人々は溢れ、昼から道に座り込んでカップ酒を喰らうおじさんたち。
この寒いのに裸足の人。
不景気で仕事は減っているだろうから、厳しいだろう。
すぐそばの東京スカイツリーの建設で、いろいろややこしいことになっているとも聞いた。
早朝の「手配師」からあぶれた人は、朝から酒でも飲んでたり、路上で公然と札が飛び交い花札をしている。
車道に倒れこむように寝ている人。
大量の自転車。
城北労働福祉会館の前では炊き出しをしている。
仕事のある人も一歩踏み外しただけで転落してしまう社会がある。
かつての高度経済成長など絵空事のような不景気の中。
昔は職を無くしても、転職先の会社の多くは、経済成長の波に乗って、業績を伸ばして、更なるステップアップが出来ていた。
ところが今では職探しが非常に困難だ。
そもそも新卒でも非常に厳しい。
経済の成長が上向いていないから、ブラック企業、派遣、契約社員、将来は不安定、又は暗い。
書いているうちに年が明けた。
この近くには、昔のいわゆる吉原があり、小塚原刑場跡があり、亡くなった身寄りの分からない遊女を投げ捨てたと言われる投込寺(浄閑寺)がある。
かつてここにあった川、「思川」(おもいがわ)にかかっていた小塚原刑場に通じる橋が「泪橋」である。
「明日のジョー」のモデル。
この橋を渡ると“あの世”行き。
橋を渡る人を見送る人、そして本人。
泪橋。
悲しい橋である。ちなみに品川にもある。
この地域には人間の本性がさらけ出されるであろう場所が立ち並んでいる。
「金」「性」「死」
否が応でもそんなことを意識させられる。
年が明けてもそれはそこにある。
辛気臭い男だと思われるかもしれないが、真実に目を向ける事を止めてはいけない。
そう思って今年も過ごしたい。